非常に強い再生能力を持つプラナリア。その秘密の鍵は「全能性」という能力にあります。プラナリアの全身には、全能性幹細胞という細胞が多く分布しています。

この細胞、体のありとあらゆる組織に変わる(文化する)事が出来る能力を持っているのです。多細胞生物のはじまりである受精卵にも、同じ前納性という能力があります。一つの細胞である受精卵が最終的には一個体の体全体になるのですから、当然です。

しかし、精子と卵子がくっついて受精卵ができ、その受精卵が分烈を始めると、ある段階から細胞の全能性は失われていきます。最終的には神経細胞や心臓の心筋細胞、皮膚の上皮細胞といったように特定の組織の特定の細胞として決められた役割を担うようになるのです。

このような多細胞生物の中、プラナリアが持つ全能性幹細胞は、他の細胞が体細胞となって体が出来上がった後も全能性を保っている不思議な細胞なのです。